自然を感じる
山 / 登山道
新上五島町は島全体が海に浮かぶちょっとした山脈のようです。平地はごくわずかしかありません。海からいきなり山の斜面がはじまり、折り重なるように低い山と時折400mを少し超える山が続き、ほどなく山の斜面は反対側の海に落ち込みます。
江戸時代に新上五島町の対岸にあたる長崎県の外海地方から来た移住者は、海岸近くの先住者を避けて急な斜面に段々畑を切り開き、主にさつま芋を育てながらカクレキリシタンとして信仰を守り続けました。
人々の暮らしを支えてきた山は耕作する人も少なくなり静けさを取り戻しています。国境の島として人々の行き来を見守ってきた山は、新上五島町の海が一番美しく見える場所でもあります。五島列島の歴史に思いを馳せたり素晴らしい眺望を楽しむには登山もお勧めです。比較的登山しやすい山々を以下に紹介します。
<!!注意!!>
登山道や案内板は整備不十分な場所もありますので注意して登山願います。
登山道を登る場合にはローカットの登山靴の着用がお勧めです。特に麓から登山する場合は必須です。
山には多くの猪が生息していますので、くれぐれもご注意ください。遭遇した際には刺激せずに静かに立ち去ってください。特に親子連れの猪には要注意です。
1 番岳(443m)(中通島)
新上五島町の最高峰。
南北に細長く連なる新魚目半島に鎮座するため、山頂では東の五島灘と西の東シナ海の絶景、宇久島・小値賀島も一望できます。
駐車場のある8合目から登山道を登るのが一般的です。番岳の南側の登山道から登ることも可能ですが、登山道の整備が不十分であり中級者以上向けです。
登山後に温泉を楽しむことが可能です(立ち寄り湯については現在機械故障のため休止中)。
2 山王山(439m)(中通島)
新上五島町で最も神聖な山。
9世紀初めに遣唐使船で唐へ渡り、入唐成就のお礼として開山したとの伝説があります。
今里登山口からは深山の雰囲気を味わいながら登山を楽しめますが、登山道の整備が不十分であり迷わないように注意してください。荒川登山口からは山麓の荒川集落に一之宮から登山するコースと8合目駐車場から頂上まで登山するコースがあります。山頂では町全体はもちろん五島列島全体を遠望する素晴らしい眺望が楽しめます。
3 高熨斗(たかのし)山(431m)(中通島)
県道170号線を青方から奈摩へ北上する途中に分岐を示す標識があります。
登山道はありませんので頂上の展望台に続く車道を登山します。頂上では眼下に上五島国家石油備蓄基地を眺めることができます。
4 矢倉岳(マリンピア展望公園)(384m)(中通島)
鯛ノ浦と浦桑を結ぶ道路の途中に分岐を示す標識があります。
登山道はありませんので頂上の展望台に続く車道を登山します。頂上からは有川や鯛ノ浦を始めとする町のたたずまいや上五島一円の島々を遠望できます。