新年のご挨拶

 謹んで年頭のご祝詞を申し上げます。
 町民の皆様には、健やかに清々しい新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。日頃から町政の円滑な推進に温かいご理解とご協力を賜り、深く感謝申し上げます。
 
 昨年は、全国各地で西日本豪雨、北海道胆振東部地震や台風などによる甚大な自然災害が発生し、災害の猛威を思い知らされました。
 本町では、幸いにも人命に関わるような災害から免れ、無事に新年を迎えられたことに胸を撫で下ろしながら、いついかなる時も災害に対する危機感と緊張感をもって、皆様の生命と財産を守らなければと使命感を新たにしているところであります。
 
 さて、政府は「経済再生なくして財政健全化なし」との基本方針を堅持し、財政健全化を着実かつ景気を腰折れさせることがないよう機動性をもって行うとしており、引き続き雇用・所得環境の改善が進む中、緩やかな景気の回復と合わせ、各種施策の効果に今後も期待がなされるところであります。
 このような中、最重要課題であります「人口減少対策」につきましては、有人国境離島法を活用し、雇用機会の拡充に懸命に取り組んでいただき、30年度は18事業者で54名の雇用増を目指しており、移住者も前年度を超えております。現在は、新年度に創業や事業拡大に取り組まれる事業者を募集していますので、雇用を生み出すためにも、皆様の豊かな発想や英断に大きな期待を寄せています。
 
 また、交流人口の拡大につきましては、昨年2月に国道384号の跡次トンネルが開通して利便性が向上し、7月には悲願でありました「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録され、構成資産の「頭ヶ島の集落」を中心に訪問客が前年度より約4割増加しています。
 ここに、改めて信徒の皆様をはじめ教会関係者並びに格別のご協力とご支援を賜りました関係者皆々様に深く感謝申し上げます。
 
 「頭ヶ島の集落」では、その普遍的な価値や環境を守り、包括的な管理を行い伝承するため「パーク&ライド」方式を今後も引き続き実施しますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
 併せて、往復乗船券と観光体験クーポン券がセットになった「長崎しま旅わくわく乗船券」をはじめ体験メニューの充実を図り、滞在型観光の促進に努めてまいります。
 世界遺産登録で観光客の増加が期待される中、本土間航路の問題は水をさすような出来事で、皆様に大変なご不便とご心配をおかけしましたが、有志の皆様や関係機関の皆様のご尽力をご理解を賜り、航路の再開とダイヤの充実が図られましたことに安堵し、関係皆々様に厚く御礼申し上げます。
 
 3月には、奈良尾温泉センターのリニューアルによるリゾートホテルのオープンが予定されており、新たな雇用と観光客の増を期待しておりますので、手を振って歓迎の意を表するなど、おもてなしの充実にご協力をよろしくお願いいたします。
 また、本年4月からまき網漁業に乗船されるインドネシア人技能実習生14名(3年間で42名)を受け入れる支援を行います。
 
 昨年は、児童・生徒の活躍にも目を見張るものがありました。福井しあわせ元気国体への出場や、上五島・中五島両高校の全国放送コンテスト出場など特筆すべきことが多々ありました。
 また、11年ぶりに子ども議会を開催し、子どもの目線で素直に町のことや地域のことを考えた課題が指摘されました。
 さらに、中五島高校の地域活性化コンテスト「田舎力甲子園」での奨励賞受賞など、子ども達の故郷への思いを未来に繫ぐためにも一層創意と活力に満ちた心豊かな教育環境づくりに努めてまいります。
 
 新年度には、職員数の減少に伴い、窓口や民生部門を主として、組織体制の見直しを行います。ワンストップサービスの理念を維持しつつ、総合窓口課と環境課をひとつにした住民生活課の新設、こども課と福祉長寿課を統合し、子どもから高齢者まで一体的な福祉事業の展開を図るため、新たに福祉課を設置し、課内室として子育て支援センターを設けるなど、更なるサービスの向上に努めてまいります。
 
 また、8月1日に合併15周年を迎えます。
 節目の年でもありますので、記念事業とともに、皆様が健康で安心して暮らせるよう、福祉の向上と活力あるまちづくりを更に前進させるべく決意を新たにしております。
 
 本町を取り巻く環境は、依然として厳しいものがありますが、皆様の英知と力をお借りしながら、山積みする諸課題の解決に向けて職員一丸となって取り組みます。一層のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。  
 結びに、新しい年が皆様にとりまして安穏で幸せ多い年になりますよう心からお祈り申し上げます。

平成31年 元旦   新上五島町長  江上 悦生